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マグネットスイッチの仕組み 富士電機 SW-03 SC-03編

※弊社ではマグネットスイッチのみの販売・交換は行っておりません。
ポンプで使用される、マグネットスイッチの古いものを取り外しましたので分解してみました。

メーカー名
富士電機
機種
SW-03

サーマルスイッチTR-0Nは別途紹介としますので、本記事では、電磁接触器 SC-03を紹介します。
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サーマルスイッチの仕組み 三菱電機 TH-N20 編

ポンプ電動機に使用される、マグネットスイッチのサーマルスイッチの仕組みについて。

代表的な機種として三菱電機MSO-N20,MSO-N21,MSO-N25,MSO-N25に使用されているTH-N20について調べました。
テラルの制御盤に使用されているのを見かけます。

サーマルスイッチとは

モータの過負荷、拘束による焼損を防止するための熱で動作するスイッチのことです。
モータは起動時に瞬間的に大電流が流れます。そのような瞬間的な大電流では動作しません。
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マグネットスイッチ(電磁開閉器)の仕組み 春日電機 MUF10-4

ポンプの制御にはマグネットスイッチを使用しているものが一般的です。
これは、ポンプの起動には大電流が流れる為、機械的にスイッチをON/OFFさせているものです
※最新のポンプ制御盤ではマグネットスイッチに変わり「ソリッドステートコンタクタ」と呼ばれる電気的に接点をON/OFF出来る物が使用されているものもあります。
今回の部品は春日(http://www.kasuga.jp/)製のMUF10-4です。その他、三菱、ナショナル、富士電機、東芝などのメーカーからも発売されています。
KASUGA MUF10-4
写真1

これがマグネットスイッチ(電磁開閉器)です。上側がコンタクタ(電磁接触器)、下側がサーマルスイッチから成り立っています。上側を間違えてマグネットスイッチと呼んだりする場合もありますが、正式には上記の通りの呼び名です。今回はこのコンタクタを見ていきます。仕組みとしては、A1とA2の端子にAC200Vの電圧をかけるとコイルに電気が流れ、磁石のついたスイッチを「ガチャ」っと動かしてスイッチがONになります。ガチャッと「機械的」にスイッチが入るわけです。

MUF10-4 接点 摩耗状態の確認
写真2

表面カバーを取外し接点部を確認している写真です。ポンプ点検ではこのように接点の上側、下側が磨耗していないかを確認します。接点に損傷があったり、厚みが1/2程度になった場合は交換です。

マグネットスイッチ 接点
写真3

実際に下側の接点を取り外して見ました。一番右側は使用していない接点の為、きれいなままなのが確認できます。

接点 稼働側
写真4

接点上側のユニットを外した状態です。上側の接点も傷んでいるのが確認できるかと思います。下側の灰色の部分が磁石部分です。

コンタクタ コイル
写真5

マグネットスイッチの下の部分です。右上のネジがA1、左下がA2端子になっています。

コイル
写真6

コイルを取り外してみました。このコイルに電気が流れ、電磁力により磁石部を動かします。

MUF10-4 部品一覧
マグネットスイッチは接点の磨耗により、スイッチONの際、1箇所のみスイッチの入りが遅かったりすると、欠相となりブレーカーが落ちたり、劣化により接点がくっついたままだったり、という症状が考えられます。本体を触ってみて、振動が感じ取れるようであれば、劣化の兆候です。

また圧力タンクの故障などでインチング運転(ポンプの入り切りが激しい状態)になると接点劣化に拍車がかかります。故障の際はすぐ断水になりますので(機種により2台交互運転で片側運転に切り替わるものもあります)劣化の際はすぐ交換したほうが良いでしょう。

サーマルスイッチの仕組み 春日電機 MUF10-4 HRD-010編

サーマルスイッチとはモータが過負荷(回転が重くなること)となった時にコイルが焼損するのを防止するスイッチです。写真のものは春日電機 MUF10-4、荏原製作所の給水ポンプで使用されていたマグネットスイッチです。
kasuga HRD-010 サーマルスイッチ
マグネットスイッチの下の部分(赤丸の部分)をサーマルスイッチといいます。

早速、取り外して分解してみてみます。
春日電機 サーマルスイッチ 仕組み1
モータへの電気はAからBへ向かって流れます。コイルに電流が流れることによって熱が出ます。

春日電機 サーマルスイッチ 仕組み2
このコイル部分の電流が増えると熱が発生し、コイルが巻いてあるバイメタルが伸びて下の板を矢印の方向に押します。すると、Cのラッチ部分が外れます。

春日電機 MUF10-4サーマルスイッチ 仕組み3
Dの接点(スイッチ)が右から左に動いて、回路が切り替わります。この状態が「サーマルトリップ」または「サーマルが作動した」という状態です。

サーマルスイッチの正常な状態
通常はこのスイッチが沈んでいますが、

サーマルトリップのトリップ状態
サーマルスイッチが作動すると(過負荷になると)飛び出ます。飛び出ているときは過負荷になったということです。このスイッチが飛び出ているかで異常を判断します。スイッチが切れることでコンタクタを遮断します。サーマルスイッチ自体ではモータ電路の遮断ができません。

サーマルスイッチ 設定値
このダイヤルで電流値を決めます。モータの定格電流値+アルファ(ちょっとだけ)の値が良いでしょう。この値以上の電流が流れるとサーマルスイッチが作動します

マグネットスイッチとサーマルスイッチの関係
サーマルスイッチはコンタクタのON/OFFを制御している回路の途中に入っています。
サーマルスイッチが作動するとこの回路を切断させるので、マグネットスイッチがOFFになるというわけです。

サーマルスイッチが作動した場合に考えられるのはモータの過負荷です。
ポンプの羽に異常があったり、軸受け(ベアリング)に異常があったりすると回転が重くなり(手で廻せない位になります)電流が大量に流れ(過電流・過負荷)、サーマルスイッチが作動します。こんなときは2台運転であれば、応急的に片側運転にして、すぐにポンプの修理もしくは交換をしましょう。またコンタクタの接点不良時にも作動する場合があります。その場合はコンタクタの交換が必要です。

※H25.4.1
下記新しく記事を書きました。
ポンプで使用されるサーマルスイッチ 三菱 TH-N20

※H26.7.25
写真を撮りなおしました。加筆修正しました。