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ポンプ電動機に使用される、マグネットスイッチのサーマルスイッチの仕組みについて。
代表的な機種として三菱電機MSO-N20,MSO-N21,MSO-N25,MSO-N25に使用されているTH-N20について調べました。
テラルの制御盤に使用されているのを見かけます。
コンテンツ
サーマルスイッチとは
モータの過負荷、拘束による焼損を防止するための熱で動作するスイッチのことです。
モータは起動時に瞬間的に大電流が流れます。そのような瞬間的な大電流では動作しません。
継続して大きな電流が流れた場合に、モータが燃えないよう、サーマルスイッチのプレートが熱で膨張することにより作動します。
※弊社ではマグネットスイッチのみの販売、取付、修理は行っておりません。
外観
正面
設定電流値、サーマルトリップ表示、リセットボタン(青ボタン)があります。
通常はサーマルトリップ手動復帰(H位置)になっているのですが
青いリセットボタンの右上ピンを切除し、回転させると自動復帰(A位置)に変更することができます。
通常は手動復帰です。焼損防止の観点、原因を特定してからの復帰が望ましいからです。
上面
こちら側に電磁接触器(S-N20,S-N21,S-N25,S-N35の電磁接触器)が付きます。
下面
95-96端子がNC (Normal Close) 通常時に接点がON、サーマルトリップ時接点がOFF
97-98端子がNO (Normal Open) 通常時に接点がOFF、サーマルトッリプ時接点がON
1,2,3端子にそれぞれ電動機の配線を接続します。1と3には素子があります。2にはありません。
サーマルスイッチの仕組み
サーマル設定値を最低に回すと写真のレバーが右側に動きます。これで作動値を調整します。
サーマルトリップ時はTRIP表示の部分が左にスライドします。
もしくはペン先などでTRIP表示を左にスライドさせることで手動でTRIP状態にすることもできます。
異常原因を追究し修理した後に、青ボタンを押下することでTRIP表示が右にスライドし復帰します。
ヒーターがバイメタルを熱することで押し板が左に動き、周囲温度補償用バイメタルを動かし、スイッチが働きます。
スイッチ部を拡大した写真。
通常時。95-96端子の接点がON 97-98端子の接点がOFF
サーマルトリップ時。97-98端子の接点がON 95-96端子の接点がOFF
設定値
電動機定格電流値にします。モータの銘板に定格電流値の記載があります。
電動機定格電流値がサーマルスイッチの設定範囲外となる場合は、設定範囲が合うサーマルスイッチに交換が必要です。
時々合っていない現場を見かけますので、気になる場合は確認したほうが良いでしょう。
参考ページ
サーマルスイッチの選定と設定値
サーマルスイッチ作動条件
この三菱電機の商品では設定値の何倍の電流が何秒流れたかで動作します。
目安として
2倍の電流で約45秒
3倍の電流で約20秒
4倍の電流で約15秒
6倍の電流で約8秒
1.1倍程度ですと数分回り続けると作動する場合があります。
1.05倍の電流で2時間以内では作動しません。
さらに保護するには
このサーマルスイッチは標準的なもので、より保護機能があるスイッチがあります。
主に
- 2素子1E
- モータの過負荷・拘束保護(この記事のものです)
- 3素子2E
- モータの過負荷・拘束、欠相保護
- 電子式
- モータの過負荷、拘束、広範囲な欠相、反相の保護
2素子のものより3素子、電子式は保護機能に優れています。
参考ページ
低圧開閉器 低圧配電制御機器 ダウンロード |三菱電機 FA 技術資料 MS-Nシリーズ技術資料より
※一度分解したサーマルは精度が落ちるため再使用できません。
※弊社ではマグネットスイッチのみの販売、修理、取付は行っておりません。
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