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シャワーの出が弱い場合に追加するポンプ

1戸全てまかなうポンプですと少し大きなポンプが必要になりますが、給湯器のみ加圧するポンプであれば、比較的安価に取り付けができます。1台で蛇口1~3栓分(毎分15L~25L程度)の水量をまかないます。各社から販売されています。これでシャワーも快適に使用できます。
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100Vのポンプで水圧・水量が必要な場合

200V電源が使えず100V電源しか無い場合は最大0.4kWのモータが最大出力のものになります。
このモータポンプを使用した一般的な浅井戸ポンプですと最大全揚程33m、水量30L/minあたりが限度です。

しかし、水圧を強めに欲しい、水量を多めに欲しいという場合があります。

受水槽を使用した場合での機種別能力グラフを作成しました。
浅井戸ポンプ400W
※各社カタログより目視で拾ってますので誤差はご容赦ください。

写真 wt-p400 jf400s wp-400w pg-407a hpjs
メーカー名・機種名 日立 WT-P400W 川本製作所 JF-400S テラル WP-400W
(WP-405LT-1/WP-406LT-1)
テラル PG-407A(M) 荏原 32x32HPJS5.4S
起動 標準250 高320 (kPA) L17 M23 H29 (m) 180kPa 180kPa 140kPa
運転 標準310 高380 (kPA) L21 M27 H33 (m) 280kPa 280kPa
停止 標準310 高380 (kPA) 4L/min 2.5L/min
消費電力 880W 750(50Hz)/770(60Hz)W 850W
備考 インバータ インバータ

 
グラフ内のオレンジ色に塗りつぶされている部分では浅井戸ポンプを選定してもらえば問題ありません。
図の通り揚程28mよりも水圧が必要な場合は、大きな圧力タンクが付いているタイプ(WT-P400W、WP-400W、PG-407A(M)など)を選びます。
蛇口1栓(10L/min)で40m以上の揚程を出すことができます。

また水量35L/min以上に必要な場合、ジェットポンプ(JF-400S、32x32HPJS5.4Sなど)を使用します。
こちらですと20m(ギリギリ2階建てで使用できる程度の水圧)で蛇口6栓程度使用可能です。

選定に困ったときは当社までご相談ください。

加圧給水ポンプユニットの選び方 2009年度版

給水ポンプにはいろいろな種類がありますがここでは、中小規模マンション(3階以上)施設向けの商品をご紹介します。
最近は直結増圧給水(水道本管から受水槽を設けず直接各世帯に給水する)方式も増えてきていますが、まだまだ主流は加圧給水ポンプと思います。

加圧給水ポンプユニットの制御方式による長所と短所

加圧給水ポンプユニットにはポンプの運転制御方式の違いにより主に下記種類に分類されます。

ポンプの種類 長所 短所
定圧給水ポンプ 設置コストが安い 蛇口での水圧変化が大きい
減圧弁方式(吐出し圧力一定)
給水ポンプ
蛇口での水圧変化は比較的少なめ 減圧弁のメンテナンスが必要
インバータ制御(推定末端圧力一定)
給水ポンプ
蛇口での水圧変化が小さい
使用水量によりモータの回転数を変化させる為、電気省エネ効果がある。
設置コストが高い
インバータのメンテナンスが必要

現在は省エネ効果も高いため、「インバータ制御給水ポンプユニット」が主力です。

加圧給水ポンプユニットのメーカー別特徴

主要メーカーのポンプとその特徴です。製品はそれぞれインバータ制御給水ポンプユニットです。(50音順)

外観/メーカー名/機種名 特徴
エバラ フレッシャー3100
荏原製作所 フレッシャー3100

ノイズフィルタ、ACリアクトルを標準で装備
小水量停止時間をファジィで変え省エネ運転と最適運転回数を実現し無駄な運転とインチングを防止
圧力タンクが取外し易くメンテナンス性が良い
吸上げ運転可能
リモコンによる各種設定運転監視が可能

川本製作所 KF2
川本製作所 ポンパーKF2

高さが低い
静かな運転音
DCリアクトル サージキラー、ノイズフィルターを標準装備
圧力検出部は光センサーで無摺動構造により長期間安定した動作(PAT)
吸上げ運転可能

テラル NX-VFC
テラル NX-VFC

設置面積が小さく、狭小スペースに収めやすい。
総重量が軽く工事が容易
運転時間均一化制御機能
ラジオノイズフィルターを標準装備
樹脂製屋外カバーにより錆ない

表ではメーカー間での機能の違いを記載しましたが、標準装備でなくてもオプションで用意されている機能などもありメーカー間での差はあまりないように思います。
次にメーカー毎に数値的な違いを比較します。
製品は吸込口径50、モーター2.2kw、自動交互運転のものです。(寸法については別途メンテナンススペース・屋外カバースペースを考慮にいれることがが必要です)

メーカー名/品番 重量(kg) 奥行(mm) 幅(mm) 高さ(mm) 標準仕様
(L/min) (m)
吐出揚程設定範囲(m) 騒音値
(dB(A))
荏原製作所
50BNAMD2.2A
119 555 780 548 376L/min 20m 20〜32 56
川本製作所
KF2-50A2.2
141 535 910 520 225L/min 32m 20〜32 52~54
テラル
NX-VFC502-2.2D
97 662 560 575 300L/min 27m 18〜42 56

機能としては荏原製作所、騒音の少なさは川本製作所、小型軽量のテラルという印象があります。
工事の際は設置スペースにより制御盤の向きなども考慮する必要があります。

下記の記事もご参照ください。

給水ポンプの選び方 2009年度版
https://pump-pro.acquainc.com/2008/12/2009

給水ポンプの選び方 2014年度版
https://pump.acquainc.com/archives/2510

2012/12/4 記事変更、加筆

テラルNX給水ポンプユニットの旧型SX型からの変更点

テラルの給水ポンプユニット形式がSX型からNX型へと変更になり
インバーター給水ポンプユニットもNX-VFC型へと一新されました。
メーカーのカタログを入手しましたので何が変わったか追っていきます
テラル NX-VFC
新型 NX-VFC
テラル SX-VFC
旧型 SX-VFC

外観上の大きな変更は制御盤の位置が変更になった点です。
またフロースイッチが付くことになりました。ポンプユニット比較で旧型と新型を比べてみます。

メーカー名/品番 重量(kg) 奥行(mm) 幅(mm) 高さ(mm) 最大給水量
(L/min)
吐出揚程
設定範囲
(m)

騒音値
(dB(A))

テラル 新型
NX-VFC502-2.2D
97 662 560 575 380 18〜42 56
テラルキョクトウ 旧型
SX-VFC502-2.2D
114 705 660 530 380 19〜36 56
エバラ
50BNAMD2.2A
119 555 780 541 380 20〜31 56
川本製作所
KF2-50A2.2
141 535 910 520 360 20〜32 54

重量が大幅に減ってます。17kgの軽量化です。施工性が上がります。

また、高さが45mm高くなってます。幅と奥行きがその分小さくなっています。

設置場所として高さ制限がある現場が多いので、高さが高くなると使用できる現場が限定されるかもしれません。
他メーカーに比べテラルは高さが低かったので使用していた現場がありました。
吐出揚程の最大値が高くなっているのでポンプの能力も上がっていると思います。
また既存の基礎が小さい場合(たとえば600*600mm程度)はテラルしか載らないというような現場もあります。

個人的には制御盤の整備性があがっているのと、重量が軽くなっているのがうれしいところです。