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落雷による誘導電流の対策 【電極編】

落雷によるポンプ停止

受水槽、高置水槽や電極配線などは雷による誘導電流が乗ってしまう場合があります。
その場合、基板が損傷したり、ヒューズが飛んだりすることでポンプが停止してしまうことがあります。

参考
落雷による基盤の不具合

雷があるような時は、悪天候が多くメンテナンス業者もなかなか手配が付きにくいですのでそのようなトラブルはできるかぎり避けたいものです。

落雷対策として最近の機種にはサージアブソーバが付いています

最近の給水ポンプユニットでは電極棒からの入力にサージアブソーバが基板に取り付けされており、これが電極配線からの誘導電流を逃がす役割を持っています。

テラル NX-VFC制御基板
テラル NX-VFC サージアブソーバ

しかし、制御盤が別に設置されている機器の場合はサージアブソーバが設置されていないものが多いです。

制御盤に対する落雷対策

水位電極への雷対策としてオムロンから出ているサージキラーユニット61F-03B、61F-04Bを取付けると予防になります。
オムロン サージキラー61F-03B 61F-04B

誘導雷障害からの保護を目的とした高容量保安器で高置水槽や山間部など誘導障害を受けやすい条件下で使用します。
電極からの配線と61Fフロートレススイッチの間に設置することで誘導電流を効果的に逃がすことが可能です。

項目 形式
3,4極用 61F-03B
5極用 61F-04B
表面接続ソケット PF113A
保持金具 PFC-A1
裏面接続用 PL11

オムロン サージキラー・ユニット 61F-03B/-04B
http://www.fa.omron.co.jp/products/family/262/download/catalog.html

まとめ

サージアブソーバがあっても防げない場合も多いと思いますが最低限の対策はしておきたいものです。ヒューズの予備の確認もしておくと良いでしょう。

落雷による基盤の不具合

昔に比べて夏が暑いですね。
ヒートアイランド現象も含め、夕方のスコールに似た雷雨が多くなっていると思いませんか?
今回紹介するのは落雷で損傷した基板です。
基板はエバラ:フレッシャー1300についているKP500Bという基板です。

この基板は各々接続されたセンサーを元にポンプを制御しています。
エバラ フレッシャー1300 基板 KB500
写真真ん中が損傷しているICです。
 
左下赤丸部を拡大した写真がこちら
エバラ フレッシャー1300 基板 KP500 拡大
ここに貯水槽の電極線を接続していますので、ここから電気が流れ込んだのでしょうか?

 
損傷したICを拡大
エバラ フレッシャー1300 基板 KP500 IC損傷
見事に粉砕しています。
 
弊社が呼ばれた際は、渇水警報が発報していました。状況としては水槽の渇水警報がでてポンプが停止し断水していました。

しかし水槽内は水は満タンにあり何をいじっても改善しませんでした。
夜間でしたので応急的に手動運転としました。ポンプ加熱防止のため水を少量出しっぱなしで、断水を避けました。
翌日メーカーより基板を持ってきてもらい修理実施いたしました。
 
今後はこのような雷事故も増えてくると思われます。夜間は修理代も時間もかかるので
応急対応法を業者に聞いてみても良いかもしれません