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ポンプのエア噛みの原因を探す

ポンプを吸上げにより使用するときにエア噛みを誘発しやすいです。

水面より上に吸込み口があるポンプの設置方式を「吸上げ」といいます。
ポンプ 吸上げ 説明図

逆に水面より下にポンプの吸込み口がある設置方式を「流込み」といいます。
ポンプ 流込み 説明図

吸上げの場合のトラブルの多くは、エアーが噛んで「吸上げない」ということにつきると思います。
本来であれば施工時に十分配慮して施工計画を行い工事を実施すればよいのですが、
改修が続いたりすると、今までは問題なかったはずが、ダメになったということは多く発生しています。

  1. チャッキ弁・フート弁の不具合を確認
  2. まずは、逆流を防止している、チャッキ弁、フート弁が機能しているか?確認しましょう。
    ポンプ停止時に耳を配管に当てて水の逆流音が聞こえなければ問題ないです。
    チャッキ弁が横向きや逆さ、斜めなど、に設置されていませんか?
    この場合、「時々」落水することがあります。正しい向きに設置します。
    チャッキ弁の正しい設置方向 説明図

    フート弁などはきっちりと縦向きに取り付けます。少しでも斜めになっていると落水する可能性があります。

  3. 配管途中に鳥居配管がないか?
  4. ポンプ吸込み側 鳥居配管 説明図

    鳥居配管とよばれる経路が吸込み経路途中にあると、エアー溜まりができて吸上げ不良になることがあります。

  5. チャッキが複数ついていないか?
  6. ポンプ吸込み側にチャッキが複数ついていると吸込みにくくなり、やはり吸上げ不良となりやすいです。
    ポンプ吸込み側 複数のチャッキ弁設置は吸込み不良を起こしやすくなります
    この図の場合は一番下のフート弁以外のチャッキ弁2個は不要です。撤去します。

  7. 複雑な経路となっていないか?
  8. エルボ(曲がり)が多くないか?これも吸込みにくくなる要因です。
    極力少ないに越したことはありません。
    3個程度ならまったく問題ないですが、6個、7個とむやみやたらに多いのは問題です。
    ポンプ 吸上げ のエルボ個数が多いとエアが抜けにくくなりエア噛みを誘発します
    できる限り少なくします。

  9. 配管が下り勾配となっていないか?
  10. ポンプに向かって配管の勾配が低くなっている場合もエア溜まりができて
    吸上げ不良となります。この原因は結構多いです。厳密にレベルで当たることをお勧めします。
    ポンプ吸込み配管の勾配不良
    また異径管が接続されている場合には偏心異型管が必要です。

  11. 2台のポンプで1本の配管から吸上げしていないか?
  12. 吸込み配管を途中で分岐していると分岐側からエアを吸込むことがあります
    ポンプ吸上げ時に吸込み配管を共用するとエア噛みしやすくなります

  13. 配管の距離が適切か?

吸込み側の距離が長かったり吸上げ高さが高かったりすると、吸上げ不良となります。
また水温が高くなるほど吸上げにくくなります。

落雷による基盤の不具合

昔に比べて夏が暑いですね。
ヒートアイランド現象も含め、夕方のスコールに似た雷雨が多くなっていると思いませんか?
今回紹介するのは落雷で損傷した基板です。
基板はエバラ:フレッシャー1300についているKP500Bという基板です。

この基板は各々接続されたセンサーを元にポンプを制御しています。
エバラ フレッシャー1300 基板 KB500
写真真ん中が損傷しているICです。
 
左下赤丸部を拡大した写真がこちら
エバラ フレッシャー1300 基板 KP500 拡大
ここに貯水槽の電極線を接続していますので、ここから電気が流れ込んだのでしょうか?

 
損傷したICを拡大
エバラ フレッシャー1300 基板 KP500 IC損傷
見事に粉砕しています。
 
弊社が呼ばれた際は、渇水警報が発報していました。状況としては水槽の渇水警報がでてポンプが停止し断水していました。

しかし水槽内は水は満タンにあり何をいじっても改善しませんでした。
夜間でしたので応急的に手動運転としました。ポンプ加熱防止のため水を少量出しっぱなしで、断水を避けました。
翌日メーカーより基板を持ってきてもらい修理実施いたしました。
 
今後はこのような雷事故も増えてくると思われます。夜間は修理代も時間もかかるので
応急対応法を業者に聞いてみても良いかもしれません

給水ポンプ漏電・サーマルトリップの時の対処

給水ポンプの異常により断水となった場合は、すぐに給水できる状態に戻したいと思いませんか?

また、遠隔監視や24時間対応での契約をされている方でも、業者に対してポンプの状況を的確に説明することにより迅速な対応につながりますので、
ポンプがどのような状態か?確認の方法をご説明します。

ただし、確認だけで操作をしてはいけません。操作したことにより故障が酷くなったり、故障原因が分からなくなったりするからです。
あくまでも、目で見て確認をしてください。
※作業による被害は責任を負いかねますので充分な注意の上ご自身の判断でお願いいたします

給水ポンプが止まっている場合は大きく分けて以下の3つです。
1から順に確認してみましょう
 

  1. 停電している
    テラル アルオート 制御盤 電源ランプ位置
    ポンプの電源ランプや表示が一切出ていない場合は停電しています。

    制御盤内、分電盤のブレーカーが落ちている可能性があります。
    良くあるのは豪雨による漏電の場合です。ブレーカーが落ちていないか確認しましょう。

  2. 故障ランプ(表示)がついている。(表示が無いものもあります)
    マグネットスイッチ サーマルトリップ
    ポンプが過負荷によりサーマルが作動し停止した場合です。サーマルとはモーターの焼損防止の為のものです。

    制御盤内のサーマルスイッチが飛び出ている場合がその状態です。
    この場合はモーター・ポンプに異常がありますので、もう一台の正常なポンプに切り替えてください。

  3. その他
    これ以上はプロでないと判別できませんがいろいろな状況が考えられます。

    • バルブが閉まっていた(いたずらにより)
    • スイッチが停止になっていた(通常「自動運転」になっている。業者さんの作業ミス・いたずらなど)
    • チャッキ弁・フート弁の開閉不良(弁が閉まっている為、水を吸い上げない。エアーが噛み吸い上げない)
    • リレー関係の不良(接触不良・経年劣化)
    • マグネットスイッチの不良(接点不良によりスイッチが入らない)
    • 基盤不良(経年劣化)

急ぎ復旧させたい時が多いですが、逆に復旧させてしまったがため、故障原因が分からなくなる場合も多いです。
もし、操作された場合は全ての操作やランプ表示状況を作業員に伝えられるようにしましょう。