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10年以上前の増圧給水ポンプユニットは修理可能?

質問 増圧給水ポンプ修理ができないと言われたのですが修理できませんか?

10年以上前に設置した増圧給水ポンプユニット。メーカーから製造中止品の為、ユニット全体交換が必要と回答がきたが、何とか修理できないか?

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給水ポンプのインバータの交換は安くできますか?

質問 インバータの交換が高いのですが安くできませんか?

インバータ基板
給水ポンプユニットのインバータ交換は安くできませんか?

回答 安くできないのは心苦しいですが

※2016/6記事を改定
以前と比べインバータも1台あたり数万円程度に下がっており1台交換であれば20万円以内で納まるケースも多いです。
年数が経過していると同型のインバータが生産終了となり制御盤ごと交換ということになると高額になります。
インバータ交換とともに内部設定などの確認も行いますのでメーカーでの作業になります。

増圧給水ポンプの逆止弁の修理

マンションやビルの直結増圧給水ポンプユニットには逆流防止器とは別に逆止弁が3カ所入っています。
荏原製作所のPNAEM型 増圧給水ポンプを参考にご紹介します。

逆止弁のある場所

荏原製作所 直結増圧給水ポンプユニットPNAEM内部写真
荏原製作所 増圧給水ポンプユニットPNAEMポンプユニットカタログより

写真で見ての通り正面からでは見えません。配管の内部に逆止弁が内蔵されています。
配管系統図で下記の赤丸の箇所にあります。

系統図
荏原製作所 増圧給水ポンプユニットPNAEMポンプユニットカタログより

下記の場所に逆止弁が付いています。
1.各ポンプの吐出し側(計2個)
2.ポンプのバイパス管

故障した場合の症状

ポンプ運転しっぱなしになったり、ポンプ運転中にもう片側のポンプが逆回転し始めたりと
いった症状が現れます。

逆止弁の外観

逆止弁 SCV-50
逆止弁 SCV-50 50A
逆止弁は樹脂製のものです。これが配管内に挿入されています。
配管に挿入されている逆止弁
交換の場合は逆止弁の爪が引っ掛かっていて抜けませんので、この爪を破壊しながら抜きます。
取出した逆止弁
壊さないと抜けないので不具合の詳細は判断ができません。

逆止弁の交換時期

樹脂は経年によりしなやかさが無くなり硬化してしまい、割れやすくなります。
5年目以降にポンプのメンテナンスをされるときには一緒に交換することをお勧めしたい部品です。

水中ポンプの修理は可能ですか?

質問 水中ポンプが故障した際、修理はできますか?

水中ポンプのオーバーホールは可能ですが、検討いただきたい事項があります。

水中ポンプの修理について検討事項

ポンプの取付・取外し時の手間の費用を見込む。

修理の際は、搬出時、搬入時と2度の水槽内水抜きが必要です。工場への輸送費も必要です。

修理中の予備機

修理するポンプは工場へ運びます。その後、見積り、修理など日数を要する為、仮設ポンプが必要か?検討しなければなりません。

修理費用

引き上げたポンプについては、修理の見積りをしますが、修理できない場合や高額の場合もあります。その場合でもそれまでの費用が全て無駄となります。

水中ポンプ修理に対するメリットとデメリットの相対表
修理の場合 修理見積後にキャンセルし新品交換の場合 交換の場合
メリット 新品の為、永く使用できる。
現状復帰までの時間 時間がかかる。 もっとも時間がかかる 短時間で済む
コスト 安価にすむ場合があるが高額になる可能性もある。 もっとも高額である。 高額である。
コスト内容 取外費+工場搬送費+修理代+取付費 取外費+工場搬送費+修理見積り代+処分費+取付費+新規ポンプ代 取外費+処分費+新規ポンプ代+取付費
水槽内水抜き 2回 2回 1回
仮設ポンプ 長期必要 長期必要 短期必要(もしくは不要)

回答 金額と保証を考えると高額な機種に限ります

腐食が進んだ水中ポンプ
数十万円程度のポンプの場合は、経年劣化なども踏まえ、新規ポンプの導入をお勧めしております。
水中ポンプの場合は漏電の可能性がとても高く、電動機、ケーブル共、高い密閉性が求められます。そのため密閉性のテストなども行います。
それでも「修理後にまた故障した」「分解したけど新品以上に金額がかかる」ということが懸念されます。
本体価格が百万円を超えるような水中ポンプに関しては修理の検討も可能です。

ポンプの運転が止まらず、熱を持っていた場合

機種はエバラ フレッシャー 32BDSMD51.1Dです。
水を使用したあと、水を止めても、ポンプが止まらず、配管が熱を持つという事例です。

ブレーカーを入り切り(正確には切って入れるですね)するとひとまず停止するそうです。

ポンプが止まらずということは、止まらせるために働くセンサーのトラブルを想定します。
配管が熱をもつというのは、おそらく水を使用せず配管内に水が停滞しており
ポンプが回転しっぱなしであると水が熱をもつということだと想定しました。
基板などは電圧が常にかかっています。絶対に手を触れないようにお願いいたします。

現地での確認

  1. ポンプの吐出し側のバルブを閉める。
  2. 通常であればポンプが止まりますがやはり止まりません。これでポンプが止まればポンプは異常ないので、どこか漏水がある可能性を検討します。
    今回は止まらずなのでやはりポンプの故障。そこでバルブをまた開ける。

  3. 水栓で水を出したり止めたりして、センサーの状況を確認する。
  4. マンションで住民さんがいつ使用しているか想定できない場合は難しい方法ですが。
    水を出したり止めたりすると、圧力スイッチからカチッと音がします。
    圧力スイッチの配線をはずし、抵抗値を測ると、ポンプが起動しているときはOFFになりポンプが止まり、水圧が落ちるとONになっていました。
    まず圧力スイッチは問題なし。
    つぎに、水の流れを検知しているフローセンサー。基板上のリレー(フローセンサー用のリレー)もカチッと水が動くたびに動いて
    いるのが目視で確認できました。(本来は抵抗値などを測ると確実にOKですが状況的に測りにくい為、ひとまず異常なしと判断)
    このことによりほぼセンサーは大丈夫と確認できました。もしカチッと音がしないようであればセンサーやリレーが怪しいと想定されます。
    その際はそれぞれの抵抗値などをあたります。

  5. 停止時間設定タイマー
  6. このタイマーは水を止めてすぐにポンプが止まらないように制御しているタイマーです。
    このポンプの設定では水が止まってから1分半後にポンプが切れることになっていました。
    給水ポンプ 停止用タイマーリレー
    (写真はダイヤルを廻してしまったので0を指していますが、最初は1.5を指していました)
    このリレーの回路図を確認し、
    給水ポンプ 停止用タイマーリレー 回路図
    OFFの場合は1-9、4-12の端子がつながることが確認できました。
    リレーのソケットで配線の切れ端を使用し擬似的にOFFの回路を作りました。
    制御盤 応急処置

  7. 最後に水を出したり止めたりして動作の確認。
  8. そこで、もう一度動作を確認するとポンプが起動停止しました。

ひとまずは応急処置としてこの配線をくっつけておくとして後日
このタイマーを交換に行きます。

基板などは電圧が常にかかっています。絶対に手を触れないようにお願いいたします。