「ポンプコラム」カテゴリーアーカイブ

テラル LP型ラインポンプを分解しました。

ラインポンプが手に入りましたので分解しました。
ラインポンプとは、配管の途中に設置し、送水するものです
給水ポンプとはちょっと異なりますが、水を送るという意味では同じものです

テラル LP40B51.5 ラインポンプ

テラル LP ラインポンプ
これがラインポンプです。テラルキョクトウ LP型です

型式
LP40B51.5
吐出し量(L/min)
50~200
全揚程(m)
28~23

ポンプ

ケーシング(写真下側)を外した写真がこちら
テラル LP ケーシング
こちらがケーシング。
水は写真右から入り、真ん中の穴から出て、羽根車により左に送水されます

テラル LP 羽根車
こちらが羽根車
羽の真ん中より水が入り、遠心力で外側のスリットに送水されます。
洗濯機の脱水機のような感じです。

ポンプの羽は基本的に同じような形式で、圧力が必要な場合は羽を2段や3段など重ねて使用し圧力を高めます。

そして、羽を取り外すと、水を漏れなくしているメカニカルシールというものが軸に付いています
テラル LP メカニカルシール

回転しているにもかかわらず、水が漏れてこないのはこのメカニカルシールのおかげです。

セラミックとカーボンで出来ており、これ(写真右、左)がばねにより圧着され、水の膜を作り出し擦り合わさって回転しています
これが摩耗すると水が漏れてきます。漏れている原因自体はこのメカニカルシールによるものですが、たまに、ケーシングや軸本体が要因となるケースも見られます。メカニカルシールは消耗部品のひとつです

テラル LP ケーシング 羽根車 など部品
これでポンプ部は分解できました

写真左から、ケーシング、羽根車、メカニカルシール、フレームとなっています

電動機

次はモータ部分です
テラル LP モータ コイル部
モータの中はこのように配線が巻いてあります。サーマルスイッチがない場合、負荷が増えると、銅線が高熱となり、絶縁部が溶け絶縁不良、漏電となります。

テラル LP モータ ロータ ベアリング

こちらは軸と回転子。矢印部がベアリングです
ベアリングは運転時間・環境により随時劣化し、最後は固着し動かなくなります

ポンプから異音がした場合はこのベアリングからの場合が多数です。
異音がでたベアリングはもう役目を果たしていないので、早い内に交換をお勧めいたします。

オーバーホール(ベアリング交換)の場合はポンプの状況により可否の判断を致します。

見積りには、消耗品(メカニカルシール・ベアリング・パッキン)の項目が入りますが、状況により、羽が痛んでいたり、軸受けの磨耗が進行していたり、ケーシングが痛んでいたりします。
こればかりは、分解してみなくてはわかりません。
部品自体は注文して入荷してから行いますので、もし、予想外の部品が壊れている場合は改めて別の日に修理となってしまいます

その様な場合、最初の分解と次の分解と2重に工賃がかかるため、新品よりも金額が高くなってしまいます。
そのため、腐食が見られる場合は新品への交換をお勧めいたします

給水ポンプ制御盤の交互リレーの比較

給水用の揚水ポンプ、加圧給水ポンプ、排水ポンプの制御盤の中に、交互リレーというものが設置されています。

これは、ポンプ1号機、2号機を交互に動かす指令を出しているリレーです。

故障すると、交互に切り替わらなくなったり、ポンプが起動しなくなったり、カチャカチャ勝手に切り替わったりいろいろな不具合が出ます。その時は、制御盤で単独運転にすれば、ひとまずは回避できます。

最近のものは制御基盤で交互切替を含む制御をおこなっているものが多いのですが、昔ながら(今でも使われていますが)の交互リレーの特徴を比較します

オムロン 61F-AN

オムロン 61F-AN 交互リレー omron
入力信号の電源がなくなっても電磁ロックにて保持します。

G4Q-212Sに比べ高頻度開閉に耐えられるので、より良いリレーといえるのではないでしょうか。

配線の端子名も書いてあるので、現場では使いやすいものだと思います。

オムロンの61Fフロートなしスイッチ(コンパクトタイプ)と一緒に使用されている事例が多いです。

端子台に差すプラグインタイプは、一見便利そうですが接点の数が増え、その分信頼性が落ちるのでこのリレーが一押し商品です。

オムロン 61F-APN2

オムロン 61F-APN2 交互リレー omron
61F-ANのプラグイン(ソケットに抜き差しできる)タイプです。

メンテナンス時に簡単に脱着、取替えが出来ます。

オムロン G4Q-212S

オムロン G4Q-212S 交互リレー OMRON
古いタイプの制御盤に多く見られます。

ラチェット機構によりスイッチを切り替えます。切替パルスは100ms以上の時間が必要です。

(61F-ANは40ms以上)パルスが短い場合は切り替わらない時があります。

耐久性能的にはあるのですが経年経過するとプラスチック部品が破損しやすくなるようで割れているものをよく見かけます。

参考:

61F-AN:10万回以上(1,800回/H)に対し

G4Q-212S:50万回以上(1,200回/H)

パナソニック(旧 ナショナル) AF2182

パナソニック(旧 ナショナル)AF2182 交互リレー
テラルの給水ユニットによく使われています。

オムロン:61F-APN2と同様プラグインタイプですので

容易に脱着が出来ます。

例えば、G4Q-212Sを使用しているが、61F-ANに交換しようというのも可能です。

制御盤のリニューアル時は検討の余地があるかと思います。

※弊社では交互リレーのみの交換、修理、部品販売は行っておりません。本記事内容についての質問、問い合わせは受けておりません。ご了承ください。

給水ポンプ漏電・サーマルトリップの時の対処

給水ポンプの異常により断水となった場合は、すぐに給水できる状態に戻したいと思いませんか?

また、遠隔監視や24時間対応での契約をされている方でも、業者に対してポンプの状況を的確に説明することにより迅速な対応につながりますので、
ポンプがどのような状態か?確認の方法をご説明します。

ただし、確認だけで操作をしてはいけません。操作したことにより故障が酷くなったり、故障原因が分からなくなったりするからです。
あくまでも、目で見て確認をしてください。
※作業による被害は責任を負いかねますので充分な注意の上ご自身の判断でお願いいたします

給水ポンプが止まっている場合は大きく分けて以下の3つです。
1から順に確認してみましょう
 

  1. 停電している
    テラル アルオート 制御盤 電源ランプ位置
    ポンプの電源ランプや表示が一切出ていない場合は停電しています。

    制御盤内、分電盤のブレーカーが落ちている可能性があります。
    良くあるのは豪雨による漏電の場合です。ブレーカーが落ちていないか確認しましょう。

  2. 故障ランプ(表示)がついている。(表示が無いものもあります)
    マグネットスイッチ サーマルトリップ
    ポンプが過負荷によりサーマルが作動し停止した場合です。サーマルとはモーターの焼損防止の為のものです。

    制御盤内のサーマルスイッチが飛び出ている場合がその状態です。
    この場合はモーター・ポンプに異常がありますので、もう一台の正常なポンプに切り替えてください。

  3. その他
    これ以上はプロでないと判別できませんがいろいろな状況が考えられます。

    • バルブが閉まっていた(いたずらにより)
    • スイッチが停止になっていた(通常「自動運転」になっている。業者さんの作業ミス・いたずらなど)
    • チャッキ弁・フート弁の開閉不良(弁が閉まっている為、水を吸い上げない。エアーが噛み吸い上げない)
    • リレー関係の不良(接触不良・経年劣化)
    • マグネットスイッチの不良(接点不良によりスイッチが入らない)
    • 基盤不良(経年劣化)

急ぎ復旧させたい時が多いですが、逆に復旧させてしまったがため、故障原因が分からなくなる場合も多いです。
もし、操作された場合は全ての操作やランプ表示状況を作業員に伝えられるようにしましょう。