事務所ビルなどの瞬間最大使用水量の計算方法


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マンションについてはマンションの瞬間最大水量の算定方法にて書きましたが、それに当てはまらない事務所ビルなどの算出方法について記載します。

「神奈川県企業庁水道局 給水装置工事設計施行基準」より抜粋。計画使用水量の計算について引用します。

同時使用水量による方法

~省略~

イ.同時使用水量により計算する方法(表3-4-2)

給水装置の全ての末端給水用具の個々の使用水量を足し合わせた全使用水量を、
末端給水用具の総数で割ったものに、同時使用水量比を掛けて求める。
同時使用水量=(末端給水用具の全使用水量/末端給水用具総数)×同時使用水量比

表3-4-2 末端給水用具数と同時使用水量費

総給水器具数 使用水量比
1個 1
2個 1.4
3個 1.7
4個 2.0
5個 2.2
6個 2.4
7個 2.6
8個 2.8
9個 2.9
10個 3.0
15個 3.5
20個 4.0
30個 5.0

(2)同時に使用する給水用具を設定して算出する方法

同時に使用する末端給水用具数だけを表3-4-3から求め、任意に同時に使用する末端給水用具を設定し、設定された末端給水用具の吐水量を足し合わせて同時使用水量を決定する方法であり、使用形態に合わせた設定が可能である。
同時に使用する末端給水用具の設定にあたっては、使用頻度の高い給水用具(台所、洗面所等)を含めるとともに、申込者の意見等も参考に決めること。
なお、公衆用の手洗所のように同時使用率の極めて高い場合には、手洗器、小便器、大便器等、その用途ごとに表3-4-3を適用して合算すること。
また、一般的な末端給水用具の種類別吐水量は表3-4-4によること。

表3-4-3 同時使用率を考慮した給水器具数

総給水器具数 同時使用率を考慮した給水器具数
1個 1個
2~4個 2個
5~10個 3個
11~15個 4個
16~20個 5個
21~30個 6個

表3-4-4 種類別吐水量とこれに対応する給水器具の口径

用途 使用水量(L/min) 対応する給水器具の口径(mm) 備考
台所流し 12~40 13~20
洗濯流し 12~40 13~20
洗面器 8~15 13
浴槽(和式) 20~40 13~20

浴槽(洋式) 30~60 20~25

シャワー 8~15 13
小便器(洗浄タンク) 12~20 13
小便器(洗浄弁) 15~30 13 1回(4~6秒)の吐水量2~3L
大便器(洗浄タンク) 12~20 13
大便器(洗浄弁) 70~130 25 1回(8~12秒)の吐水量13.5~16.6L
手洗器 5~10 13
消火器(小型) 130~260 40~50
散水 15~40 13~20
洗車 35~65 20~25

表-3 給水器具の標準使用流量

給水器具の口径(mm) 13 20 25
標準使用流量(L/min) 17 40 65

給水用具負荷単位法による方法

事務所ビル等における同時使用水量の算定方法

ア.給水用具負荷単位による方法

給水用具負荷単位とは、末端給水用具の種類による使用頻度、使用時間及び多数の末端給水用具の同時使用を考慮した負荷率を見込んで、給水流量を単位化したものである。
同時使用水量の算出は、表3-4-6の各種給水用具の給水用具負荷単位に給水用具数を乗じたものを累計し、図3-4-2の同時使用水量図を利用して同時使用水量を求める方法である。

表3-4-6 給水用具給水負荷単位

給水用具 水栓の種類 給水負荷単位
公衆用 私室用
大便器 洗浄弁 10 6
洗浄タンク 5 3
小便器 洗浄弁 5
洗浄タンク 3
洗面器 給水栓 2 1
手洗器 給水栓 1 0.5
医療用洗面器 給水栓 3
事務室用流し 給水栓 3
台所流し 給水栓 3
料理場流し 給水栓 4 2
混合栓 3
食器洗流し 給水栓 5
連合流し 給水栓 3
洗面流し
(水栓1個につき)
給水栓 2
掃除用流し 給水栓 4 3
浴槽 給水栓 4 2
シャワー 混合栓 4 2
浴室‐そろい 大便器が洗浄弁による場合 8
大便器が洗浄タンクによる場合 6
水飲み器 水飲み水栓 2 1
湯沸かし器 ボールタップ 2
散水・車庫 給水栓 5

注 給湯栓併用の場合は、1個の水栓に対する器具給水負荷単位は上記の数値の3/4 とする。
(給排水衛生設備設計篇より抜粋)

図3-4-2 給水用具給水負荷単位による同時使用水量図

同時使用水量図

まとめ

「同時使用水量による方法」のほうが、どの水栓を何台分同時に使用したときが最大とわかるので、計算の根拠がわかりやすいと思います。計算上は給水用具負荷単位法による方法のほうが足せばいいだけですので簡単ですね。


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